ここ数年の間に上記の薬が三剤出てきました。脈拍を下げる薬と心筋細胞を守る薬、尿中に糖を排泄させる薬です。海外ではもう一剤出たようです。
今回は脈拍を下げる薬について勉強してきました。この薬は心臓の収縮力を下げることなく脈拍を下げるので、心臓が十分拡張する時間が確保されるので心拍出量が増すというものです。ただ、検査上は心拍出量がそれほど変わらないのに運動耐容能が上がったりすることもあるようです。まあ、心不全の状態を把握するツールとして、心エコーによる心機能、レントゲンによる肺うっ血の程度や心陰影拡大の程度、本人の自覚症状や運動耐容能などいろいろな指標で評価すべきもので一つだけですべてを代表できるようなものはないということでしょうか。新しい薬は心拍だけを考えがちですが、おそらく末しょう循環の状態などにも影響を与えるのでしょう。総体として心臓に良いということなのかなと思いました。今のところこの薬を使うに当たって様々なクライテリアを当てはめる必要があり、これから臨床の現場で育ててゆく薬です。ほかの心不全薬であるARNIとの比較や併用などの話も少し出てきました。臨床家はいつも、新しい薬や治療法を頭に入れて適切な治療を治療を考えてゆく必要があります。いつも勉強しなければならないと。
blog収縮不全型の心不全の薬
2021.03.18