あめのもり内科

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2021.04.10

かつて脳卒中を起こした患者は、起こした場所から動かさないことが重要とされていました。田中角栄などは料亭で脳梗塞を起こしそのまましばらく動かされずにいたそうです。当時は脳梗塞は治療の方法がなかったのです。
1995年に新鮮脳梗塞に対して血栓溶解療法が始められ、2005年にようやく日本でも保険適応になりました。しかしながら治療には厳しく適応が定められており、脳梗塞発症から数時間以内であることと患者の年齢があまり高齢でないことが条件でした。血栓を安易に溶かすようなことをすれば、陳旧性脳梗塞から出血をきたして藪蛇になることがあるからです。2015年には、動脈内にカテーテルを挿入して遠隔操作で血栓を回収する治療ができるようになりました。さらにここ数年では画像診断が進歩して、どのような脳梗塞が助けられるのかについてもわかるようになってきました。たとえ脳梗塞が発症しても、何らかの方法で血管を通すことによって生き残る脳細胞がどのくらいあるかがわかるようになってきたのです。血管のつまりを通す前に、治療によってどこが助かりどのような後遺症が残り、どのような機能が回復するかもわかるようになってきました。そのような画像診断装置を適応することがとても大事なことです。
治療だけではなく、検査の仕方が治療の方法を決定し、さらには予後をも決定する要因になるという新しい知見です。そんな勉強をしました。

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