あめのもり内科

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2021.06.09

心不全とはよく聞く言葉ですが、病名ではなくて心臓がちゃんと動いていないという状態を表す言葉です。具体的には血液を送り出すポンプとしての機能に支障が来ていることを示唆させる状態名です。
心不全といっても、大きく分けて心臓の収縮能が落ちるタイプと、拡張能が落ちるタイプ、その中間のタイプに分かれます。この新しい薬は収縮能が落ちるタイプの心不全に効く薬です。最新の心不全治療ガイドラインでは、労作時の息切れがあるような顕性の心不全に既存の治療を行い、そのうえで効果がもう一つであればこの新しい薬を使ってもよいというような位置づけになっています。ヨーロッパでは数年前からすでに使われていて、採血上で心不全マーカーが高いと心不全の症状がなくてもまず使う薬となっているようです。もちろん心不全の原因を探索する必要はあります。
この薬を使うことによって、心不全の予後がよくなる、簡単に言えば健康寿命が延びるという証拠が出ています。心不全の症状がはっきりしていない早期の患者にはこの薬を使っても何も自覚できませんが、予後はかなり良くなるようです。症状がそもそもない心不全患者でも、やがてくるであろう顕性心不全をかなりの割合で防ぐことができるようです。
日本の医療がこの薬の使い方に慣れてくれば、相当に恩恵にあずかる人が増えてくる、そんな薬の勉強をしました。実際に患者さんにこの薬を使っていますが、そんな印象を強くします。

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