頭痛の一種ですが、医学的に言う片頭痛は、一般的に口にされる片頭痛とは違うものです。
日常生活に支障をきたす代表的な一次性頭痛とされており、月に平均2,3回あるいはそれ以上、頭痛発作を起こし、一回の発作は四時間から三日間持続します。典型的な片頭痛は片側性、拍動性、中等度~重度の頭痛です。日常的な動作で増悪するのが典型です。
片頭痛には前兆が起こる場合が二割あります。閃輝暗点や言語障害、片側の手の異常感覚などです。日本では全人口の8.4%、840万人と報告されています。女性のほうが男性よりも3.6倍多く、20代から40台に多く、この年代の女性では30%の有病率です。
発病中は日常生活に支障をきたすために、経済に与える負の影響も大きいものがあります。国内での経済的損失は年間3000億円に近いと推計されています。
病態生理については、三叉神経血管系、脳幹部の下行性疼痛制御系および各種神経ペプチドが重要な役割を果たしていると考えられています。前兆については皮質拡延制抑制による減少と考えられています。
補足
1. 片頭痛では幻覚の合併は少なくない
2. 発作的に自分の周りの人や物の大きさが異常に見えたり感じたりする症状を「不思議の国のアリス症候群」と呼ぶ
3. 不思議の国のアリス症候群は脳炎、てんかん、統合失調症、片頭痛でみられる
4. 一過性の離人症は片頭痛、側頭葉てんかん、睡眠障害、不安障害などでみられる
5. 片頭痛の治療でこれらの幻覚症状も改善する
blog片頭痛
2021.09.22