あめのもり内科

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2021.10.15

日本では世界でも最も早く高齢化が進んでいる社会です。高齢化に伴い、心不全の患者がこれから急速に増え、これを感染症の大流行(パンデミック)になぞらえ、心不全パンデミックという言葉ができました。何もしなければそれほど心不全患者が増えて、医療を圧迫するというわけです。
さて、高齢者の心不全は、腎不全との合併例が多くこの現象を心腎連関といいます。さらに、年齢に影響されるために、そもそも完治が望めません。高齢者心不全の背景には様々な病態があります。さらに治療継続への支障となる服薬忘れ、治療忘れなどもあって、病態だけを見ていては治療そのものが成り立ちにくいのです。背景にある一つ一つの病態に対して、それぞれの臓器障害のガイドラインに基づいた治療を行うと、自然に投薬過多となり本来の病態を悪化させてしまいます。若年者の病態と異なり、本当に必要な検査や薬や治療を、足し算ではなく引き算でコンパクトにまとめなければいけません。患者の生活にかかわる家族やケースワーカー、看護師や薬剤師介護士などの多職種連携が大事になります。もはや、医師がトップダウンですべてを決定する上意下達のシステムは時代遅れとなりました。

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