あめのもり内科

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2021.11.17

心筋梗塞や狭心症は、心臓を取り巻く冠動脈の動脈硬化が原因で起こります。具体的には、動脈の一部にプラークといわれるぶよぶよの弱い部分ができ、その部分が血管内に向かって破裂することで血管内に血糊ができて血管を詰めることで起こります。このプラークがどのような性状をきたしているのか、病理組織でいろいろと調べてこられました。現代では、生きている人間の冠動脈を血管内から調べる方法もいろいろと発達してきており、生体組織でどのような変化がプラークに現れているについてもわかってきました。
プラークの中身はLDLコレステロールが主体で、特にsmall densLDLという小さなLDLがたまっています。血管の内面はテフロン加工に例えられる膜で覆われており、このおかげで血液は血糊を形成することなくつるつると流れてゆきます。テフロン膜にほころびが出るとそこに血糊がつきます。このほころびがすなわちプラークの破綻です。LDLは小さいので、血管内皮細胞の隙間を通り抜けて、その下にたまってしまいます。HDLはこのたまったLDLを取り去ります。sdLDLはLDLの中でも特に小さいので、血管内皮とその下の組織の間にたまりやすく、sdLDLが多いと悪いわけです。プラークは破綻しても自然治癒することもあるのですが、やはり血中sdLDLが高いと冠動脈硬化の原因が存在することになるので危険です。
薬でLDLを下げても、冠動脈硬化症の予防には限界があることがわかっていました。その原因はどうやらやはりsdLDLにありそうです。中性脂肪が高いとsdLDLが高くなります。やはりコレステロールの管理だけではなく、中性脂肪の管理も冠動脈硬化症には重要なようです。また、プラークの破綻には血管内膜の炎症がかかわっていることもあり、炎症を制御することも重要です。喫煙や肥満はこの炎症を起こす要因の一つです。

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