あめのもり内科

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2021.11.20

一か月に一冊日本医師会より本が送られてきます。今回のテーマはかゆみについてでした。
外来ではかゆみに悩まされている方が多いことに気づきます。当院では高齢者の患者が多いため、かゆみの原因の多くは老化に伴う皮脂欠乏にあると思われます。しかしかゆみの原因はこれだけではなく、皮膚の症状からも様々な原因が考えられ、特にアトピー性皮膚炎などではかゆみが病状の悪化に直接関係するため、様々な鎮痒薬剤が開発されています。現代ではかゆみに関係するサイトカインへの抗体製剤なども使われるようになりました。デュビルマブ、ネモリズマブ、JAK阻害薬、そのほか従来からのステロイドに加えてタクロリムス、デルゴシチニブなどもプロアクティブ治療として使われます。
かゆみをきたす疾患は多くは皮膚疾患ですが、糖尿病や腎不全、黄疸が出るような病態などがあることもわかっています。かゆみはそれらの疾患によっておこる症状であるため、かゆみの治療だけではなく原因疾患にアプローチしてゆくことも重要です。最近では脳科学の発達から、脳で感じるかゆみ、かゆい場所を掻爬したくなるメカニズムなども論及されるようになってきました。
たかがかゆみと思われがちですが、複雑な生理学的な病理学的な、臨床病態学的な精神医学的な要素が絡み合った状態であると認識することが重要です。
ここでは自分の備忘録という意味もあって、様々な角度からかゆみを説明するメモを残そうと思いましたが、とりとめがなくなりそうなので概論だけしか書くことができませんでした。文章にすると、二次元的平面的な説明を延々とすることになり、理解ができるように人に説明するのは難しいのです。自分の頭の中では、平面的な事象それぞれつなげていわば三次元的に組み立てることができます。組みたてられれば強固な記憶として残すことができるでしょう。また二度三度と本をじっくり読み返してみます。

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