あめのもり内科

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2022.03.09

 現在、医学websiteが豊富にあり、いつも見に行っているのですが情報がありすぎてとてもすべては消化吸収できません。たまたま興味ある醫學ニュースがあったので少し紹介したいと思います。
 塩野義製薬と千葉大学が粘膜ワクチンを開発するという話です。
 今回のコロナに対してはメッセンジャーRNAワクチンというepoc makingなワクチンが短時間に開発実施されその恩恵は多大なるものでした。コロナワクチンの陰謀論に出てくるさまざまな憶測は、一見科学的に見えても専門的な立場からすればほとんどが荒唐無稽な与太話にすぎません。それはさておき、今回の粘膜ワクチンは理論的にはとても理にかなっています。 
 病原体の侵入経路となる粘膜は体内に存在しますが外界にも接しています。消化器、呼吸器、生殖器がその範疇に入ります。「内なる外」の粘膜で病原体の侵入を防ぐことができれば効果的に感染症を予防することができます。mRNAワクチンが優れているといっても、体内に侵入した病原体を駆逐するもので侵入を防ぐものではありません。したがって重症化を防ぐことができても感染を防ぐことは難しいのです。
 粘膜から病原体の侵入を防ぐには、その病原体を壊すIgA抗体を作る必要があります。さらに病原体の記憶をB細胞に蓄えなければなりません。また、粘膜にワクチンを投与しても流れ出さないようにしなければならず、さらには軟膜に存在する様々な蛋白分解酵素に影響されないような工夫も必要です。
 今回は鼻粘膜に作用するワクチンの話ですが、ワクチン分子を包むナノ粒子を作り、さらにその粒子をマイナス荷電させることでプラスに荷電している粘膜にうまく結合させるというものです。そうすればワクチンが粘膜に効率よく蛋白分解酵素に分解されずに届けることができるというわけです。
 消化管ワクチンについては、ワクチン効果を持つタンパク遺伝子を組み込んだ食物植物を摂取することによって、さまざまな病原体に対して抵抗力を発揮させる工夫、などの話もありました。
 食物の遺伝子をいじることでいずれ何かの病原体に対するワクチン効果を持たせることもできる、とのことです。

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