あめのもり内科

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2019.08.29

日本人は肥満でない段階から糖尿病になりやすいことはわかっています。血糖を下げるホルモンであるインスリンに対して、体が反応しなくなってくるというのです。
肝臓と筋肉は血糖を一定の範囲に調整するためにとても重要な役割をしています。すなわち、血糖が低い時には血液中に糖を放出し、高い時には糖を吸収するという役割です。インスリンの重要なターゲット臓器である、肝臓細胞と筋肉細胞が鈍ってしまえば血糖コントロールがうまくいきません。この「うまくいく度合い、うまくいかない度合い」をインスリン感受性といいます。インスリン感受性が悪いと血糖が上下するということです。さて、肝臓のインスリン感受性と、筋のインスリン感受性はそれぞれ別もものだということが分かってきました。まずは、肝臓のインスリン感受性が悪くなることが糖尿病の初期段階であること、脂肪肝が悪さをすることなどについて勉強してきました。アルコールも肝臓のインスリン感受性を悪くする重要な要因らしいです。
そのほかにも、糖尿病マウスの実験で得られたデータが必ずしも人間に適応できないという勉強もしてきました。糖尿病は動脈硬化を起こすから悪いわけですが、実験マウスで起こる動脈硬化は人間で起こるものとは病理学的には全く別物だということです。では、動脈硬化の指標をどうすればよいのか。いまだ確立されて知見ではありませんが、平滑筋におこる「ある種のオートファジー」を定量的に測ることができる指標が、動脈硬化の程度を反映する指数として候補に挙がっているという子tです。マウスや人間の遺伝子からそのような示唆が得られたという内容でした。
すぐさま臨床応用ができるような話ではありませんが、内容を理解していれば日常の外来診療にすぐさま生かせる話でした。

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