これまでは近くにあった国立循環器病研究センターが移動したため、脳卒中を診察する施設間の重要度にシフトが起こっています。
済生会千里病院が脳卒中専門医外来を立ち上げ、脳卒中患者を積極的に受け入れる体制をとっています。ついては、いかに早く病態を診断し治療まで持っていくか、様々な医療機器や通信機器を使って無駄なく遂行できるようシステムを組んでいます。救急隊は初療を正しく行い施設を選択するために簡単な質問アプリに入力します。病態とそれにあう搬送施設がリストアップされ、救急車移動中の位置情報は搬送先病院に刻々と知らされます。済生会千里病院では、直ちに造影CTを頭の先から足の先まで画像化し、どの血管に閉塞があるか、他の動脈系に乖離があるかなどを調べた後に間髪を入れずに治療に取り掛かるそうです。血栓溶解剤を静注し、血栓回収カテーテルを病変まで挿入し直接血栓を取り除きます。カテーテルの進歩には驚くべきものがあるそうです。
血栓回収両方の適応を知るための検査についても話がありました。
くも膜下出血の原因となる動脈瘤のカテーテル治療についても少し触れていました。口径の大きな瘤にはコイルを詰めた後にステントを挿入して、瘤からのコイルの逸脱を押さえるそうです。
脳の状態を知るためにはMRIがよいのでしょうか、CTがよいのでしょうか。造影剤を使わずに侵襲なく良いデータをとれるのはMRIです。ただし、検査時間がかかるうえに、検査禁忌の状態がないことを証明しなければならず緊急には向きません。ということで、脳卒中救急現場では造影CTを使うということでした。
blog基幹病院での勉強会
2020.01.18