加齢に伴い全身の骨はもろくなってきます。特に女性は、閉経後のホルモン不足から骨粗鬆症が進行しやすいのです。脊椎や橈骨、大腿骨近位部や上腕骨近位部骨折が起こった場合は、最初の骨折後一年以内にさらに別の骨折をきたす可能性が高いことがわかっています。背中が曲がってきた場合などには直ちに骨粗鬆症の治療が必要だということです。この場合は早く骨密度を上げる必要があり、治療としては骨形成促進薬が第一選択になります。残念ながら、世間的にはどのような場合の骨粗鬆症にも骨吸収阻害薬が投与されることが多いのです。場合によってはカルシウム製剤やビタミンDだけで経過をみられている患者さんもよく見ます。骨吸収阻害薬は効果が遅く、顎骨壊死という副作用の問題もあって、骨脆弱の強い骨粗鬆症にはこれらの薬は向きません。骨吸収阻害薬は悪くはないのですが、まず初めに骨形成促進薬を使ってから骨吸収阻害薬を使うべきです。
骨粗鬆症の治療は比較的新しい分野で、医師の中にもどのように治療や検査を行ったらよいか迷われている方も多いようです。骨粗鬆症の治療は、本来内科の領域です。折れてしまって外科的治療が必要な場合に整形外科の出番があります。良い薬があるのにその恩恵を受けている患者さんが少ないようです。
薬の効き目や、骨粗鬆症の病態、治療について勉強をしました。
blog骨粗鬆症の勉強
2022.05.11