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  • フィネレノンという薬 慢性腎臓病に

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2022.06.30

 慢性腎臓病は、腎臓機能の低下が持続する病態でその原因には様々なものがあります。
 腎臓を構成する糸球体と糸球体に至る動脈である輸入動脈・輸出動脈あたりを首座とする病気もあれば、糸球体を取り巻く間質の細胞を首座とする病気、糸球体から続く尿細管を首座とする病気、その他いろいろなものを解剖学的に考えて腎臓病にアプローチする概念があります。また、ほかにも病理学的、生理学的な仕組みから腎臓病を分類することもできます。一口に腎臓病といっても様々な切り口で考えることができます。臨床的には、これらの概念をまとめて、腎臓のろ過力が衰えた病態とひとくくりにして慢性腎臓病と考えることができます。
 さて、慢性腎臓病を治療するに様々な切り口から研究すれば、ある一つの共通の不具合がありそれを治療のターゲットとすればうまくゆきそうだと考えられるようになりました。これが治療薬としてのフィネレノンです。ミネラルコルチコイド(MR)受容体阻害薬です。
 MR受容体は全身の臓器細胞に分布し、MRが働きかける場となっています。もちろんMRは体に必要なものであり、その働きを受容する受容体が各種臓器細胞の表面に分布しています。様々な理由によりMRが過剰に働いたりMR受容体が過敏になったりして、各種細胞にMRが効きすぎて病気が起こることがあります。その原因として生活習慣病があり、その結果として慢性腎臓病があります。
 というわけでMR受容体をブロックするフィネレノンは慢性腎臓病に効くという話です。また、慢性腎臓病に限らず、MRが効きすぎて起こる病態に効くという話です。その病態は生活習慣病によって不具合をきたすような病態です。
 効果についてとても発展性のある薬です。そんな勉強をしてきました。

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