あめのもり内科

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2022.11.26

上記の勉強会に出席しました。医学の進歩は急速です。ここ数年で脳外科的な疾患や治療について勉強をしました。

まずは急性脳梗塞についてです。10数年前に、かかる病態に対して血栓溶解療法ができるようになりました。今は血栓溶解だけではなく、詰まった動脈の血栓を掃除機で吸ってくるという治療もできるようになりました。治療成績はかなり向上しています。実際には、掃除機は体外にあって、細い管を問題動脈に挿入して血栓を体外に吸い出すという治療です。

脳を栄養している頸動脈に血栓ができることがあります。詰まりかけた動脈にステントという筒状の網を入れて血流を保持する治療が一般的にできるようになりました。ほんの数年前までは、外科的に動脈を切開して詰まりを摘出するという治療法が主流でした。治療の進歩です。そのほか、様々な虚血性の疾患について勉強しました。

次は出血性疾患です。脳出血については内視鏡的手術が発達し、今では大きく開頭するような手術はかなり減ったということです。くも膜下出血についても、開頭して動脈瘤をクリップするという手術は少なくなって、コイル塞栓術が主流になりました。

脳震盪や虐待など外傷性脳疾患について勉強をしました。脳震盪は症状が多彩で、一回起こすと一割は数か月影響が遷延するということです。2回目を起こすと恒久的な障害が残ることが多くなり予後は悪化するということでした。

脳腫瘍については、良性悪性にかかわらず基本的に治療方法に大きな変化はないとのことでした。良性脳腫瘍は、やむを得ずに手術をする場合は、腫瘍への栄養血管を詰めて出血リスクをコントロールしたりするそうです。悪性腫瘍は、今でも手術でなるたけ除去するということに変わりはありませんが、腫瘍除去にあたって、脳の機能をできるだけ確保するために、手術中に覚醒させて脳機能を確かめながら手術をしたりもします。癌の転移による脳腫瘍は、癌そのものの治療が進んだことによりかなり減ったそうです。トピック的な治療として、膠芽腫に対して、頭皮表面に電極を張って脳内に特殊な電場を作り、膠芽腫細胞の増殖を抑制するというものがあります。自宅で行う治療ですが、保険適応もあります。そんな治療もあるのだと。

そのほか脊髄疾患、顔面けいれんや癲癇、悪性腫瘍良性腫瘍、水頭症、片頭痛、本態性震顫や発作性運動誘発ディスキネジアなどの不随意運動、など多岐にわたる脳神経疾患について、診断・治療・診察の勉強をしました。書ききれませんのでここまでにしますが、本日の知見に対してはいちいち調べて頭に入れ、知識のブラッシュアップをはかるようにしています。

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