あめのもり内科

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2023.01.18

心不全には収縮能不全と拡張能不全があります。それぞれ違った病態ですが、それぞれを起こす因子が何であるか、今日はその勉強をしてきました。

両方の心不全とも心筋に壊死が起こります。アンギオテンシンとカテコラミンがその責任として最も重要で、実は収縮能不全の薬はすべてこれらの因子を抑制していたことがわかってきました。拡張能不全では少し病態に違うところがあり、血管内皮機能の障害からNOが出なくなることに原因があります。結果としてさらに動脈が固くなり病態を悪くしています。

心不全をよくする薬の組み合わせとしてfantastic fourと呼ばれる治療法があります。それぞれの薬はお互いに影響を及ぼすことなく心不全の予後をよくします。どうも収縮不全にも拡張不全にも効くことがわかってきました。特にベータ遮断薬とSGLT2阻害薬をまず使うべきです。前者は症状をよくしませんが不整脈を防ぎます。後者は症状をとり血管内皮機能をよくします。後者は腎不全の腎機能をも改善します。さらに心不全の基礎疾患にかかわらず、年齢や性別人種にも関わらずその予後をよくします。

ではなぜSGLT2阻害薬はそんなに良いのでしょうか。NOキナーゼを活性化する、尿糖排泄に伴う水利尿を促進するので間質液が減り肺うっ血を改善する、エリスロポエチンを増やす、筋肉内ATPを増やすなどが考えられています。収縮能、拡張能不全にかかわらず病態早期から使うことが大事なようです。

そのほか臨床で集められたBIG DATAをAIにて解析し、何がどのように良いのか、心不全には強心薬と利尿薬が予後を悪くするなどの面白い解析結果についても勉強しました。

 

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