あめのもり内科

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2023.02.02

 てんかんというと、子供の病気で、泡を吹いて白目をむき、意識を失い体は硬直したりけいれんしたりすると思っている人が多いと思います。大発作はその通りなのですが、大発作以外のてんかんは、実際には高齢者に多いのです。はっきりとした症状が分からないというてんかんも多く、一瞬意識を失って口をもぐもぐさせるだけだとか、場合によっては応答は普通にできているように見えるのに、発作中のある一定の時間だけいつもの行動ができなくなっているだけとかということが起こります。老人ホームではそれほど珍しい現象ではありません。高齢者の交通事故に、てんかんが絡んでいることもあるではないでしょうか。
 高齢者のてんかんは、脳梗塞後やアルツハイマー患者に多いのですが、上述したように発見されないこともあります。治療薬剤はできるだけ少ない種類でコントロールするようにします。できれば一剤だけですね。
 治療にはまずてんかんの種類と質を診断し、合う薬を選んでゆきます。実際には薬を使いながら効き目を確かめてゆくということになります。薬によってはふらつきや眠気が出たり、易怒性が出たりします。今回は、てんかんが疑われた場合にどのような薬を使ったらよいかについて勉強しました。
 老人性の精神障害やてんかんの薬は使い方が難しく、環境の絡みでも状態が変わったりします。また、投与初期にはあっていた薬が、長期投与後には合わなくなってくるということもあるのだと思われます。施設に入ってから、これらの薬を減らすことで状態がよくなったりすることもあるのです。てんかんの病理学的生理学的な解明や治療については進んでいるものの、実際の現場では大まかな理論に従って薬を試してゆくという治療がとられます。

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