後天性の糖尿病である2型糖尿病では腎臓機能の低下(糖尿病性腎症)がしばしば認められます。腎機能の低下はそれ自体が死亡のリスクになりますが、腎不全は心血管疾患も増やし、その結果としての心血管死も増やします。糖尿病性腎症では、腎不全死亡よりも心血管死亡のほうが確率は高いのです。最近では、糖尿病性腎症の発現機序が解明され、それに併せて有効な腎不si全薬が開発されました。ミネラルコルチコイド受容体に作用する薬です。
ミネラルコルチコイド受容体は心臓や腎臓を中心に広く分布します。ミネラルコルチコイド受容体が過剰に活性化されると血管内膜障害から心肥大や心繊維化、心不全、不整脈などが出現することが知られています。腎臓に対しても同様に腎機能障害が惹起されて進行します。新しい薬は、選択的にMRに結合することによって心血管障害と腎臓障害の進行を阻止するわけです。
blog2型糖尿病と慢性腎疾患
2023.04.15