単一の遺伝子に異常があるために発症する病気があるということは何となく考えられると思います。一方で、生活習慣病などは様々な遺伝子が様々な場所で様々な程度で関係しており、環境によって遺伝子の働きも変わってきます。すなわち病気の発症をはっきり予測するのは難しいのです。ところが遺伝子の解析によって、生活習慣病のリスクを予測することはだんだんできるようになってきました。遺伝子の研究とAIの進歩が融合してだんだんとそうなってきたという勉強をしました。とても専門的な内容です。
遺伝子でリスクがあることを患者に伝えても、行動変容は起こらないそうです。なんだか生活習慣病といいながら自分では生活態度を変えられないということです。ただしリスクの多寡を知れば、早くから治療をするべきかどうかはわかります。糖尿病になりやすいかどうか、それに関係して心血管疾患を起こしやすいかどうかなど、体質といわれていたものをスコア化して臨床応用ができるようになってきています。発症した病気の治療には役に立ちませんが、発症から次なる病気を引き起こすリスクは計算できるので、病気の予防ができるということです。