核酸、すなわちDNAやRNAを加工し難病の治療ができる薬がここ数年で急速に発達しました。従来の抗体治療は細胞外でしか働きませんが、DNAを用いた治療は細胞核内で、RNAでは細胞質内で蛋白の合成を制御します。Antisense oligonucleotideはDNAの一本鎖、Short-interfering RNAは二本鎖のRNAです。細胞核のDNAは転写された後スプライシングを受けｍRNAとなって細胞質内に移動しタンパク合成にかかわります。

アンチセンス核酸はその作用機序から不要な遺伝子を切って不要なタンパク合成を調節することはもちろんタンパクの合成を促進することもできます。数年前に上梓した核酸医薬で、脊髄性筋萎縮症Ⅰ型の治療ができるようになりました。本来は発病から18か月までに死亡する病気です。