高血圧アプリが保険適応となっています。薬を使わずに血圧を下げるというものです。保険適応であるということは効果があるからなのですが、本当に効果があるので面白いです。
最近の血圧計はblue toothでスマホとつながるので、血圧を測るだけで計測値が記録されるようになっています。このアプリを使えば、降圧薬を使ったことのない例では、半年後に結局薬を使わずに済む例が8割という高比率でした。診察室での血圧が150ほどの高い値が下がってしまったということです。薬物療法では、ほとんどが継続投与になってしまうと思います。
すでに降圧薬を服用している症例では、服用したことがない症例に比べると効果が劣ります。それでも血圧は下がります。アプリを開くたびに何かしらアプリが教えてくれたりほめてくれたりするので、患者教育にもとても良いのでしょう。
私は血圧は高くないのですが、このアプリを使うだけで3か月たつと血圧が下がってきました。全く不思議ですが、血圧を意識するだけで何かしら効果があるのでしょうか。おそらく血圧だけではなく、日常の行動によって変化する何らかの身体的指標は、その指標を意識することで行動が変容しているのかもしれません。面白いことに行動の変容は意識に上りません。原因があって結果が出てきているのに、結果だけを意識すれば原因は意識せずとも良いように変容しているのでしょうか。
楽しいから笑うのだけれども、笑う行動をとれば楽しくなる、ということはあります。大きな声を出すと力が入る、場合によっては攻撃的になることもあります。そんなことなのかもしれません。