日は基幹病院で行われた勉強会に参加してきました。お題は二つで、一つ目は乳房再建について、二つ目はPCSK9阻害剤という、LDLコレステロールを下げる新しい薬についてです。
血中のLDLコレステロールは肝臓細胞表面に発現している受容体に結合して、LDLと受容体の結合体として肝細胞に取り込まれます。LDLは受容体ともども肝細胞内で分解されてしまうのです。PCSK9阻害薬はこの受容体に結合するために構造が変化し肝細胞内で分解されにくくなります。結果として、受容体は再び肝細胞表面に発現しLDLコレステロールの肝細胞内取り込みに再び貢献します。こうして血中LDLは次々と強力に肝細胞に取り込まれて分解されてゆきます。驚くべき効き目があり、考えられないほど血中LDLが下がります。
様々な理由で遺伝的にLDLコレステロールが異常高値をきたす疾患がありますが、この薬のおかげでそんな疾患を持つ人にも大きな福音がもたらされました。今までのコレステロール薬が合わない人や、動脈硬化の因子をたくさん持つ人などにとってはとても利益の上がる薬です。実例を交えてそんな勉強をしてきました。
blog基幹病院での勉強会 1月17日(木)
2019.01.18