今日は基幹病院で行われた勉強会に参加してきました。お題は二つで、一つ目は乳房再建について、二つ目はPCSK9阻害剤という、LDLコレステロールを下げる新しい薬についてです。
乳癌で乳房の手術が行われた後に、乳房再建をすることがあるのですがどのように行い、どのような方法があるかなどについて勉強してきました。乳がんは、まず乳腺外科が手術をしその後の再建は形成外科が行います。再建のタイミングとしては、乳癌手術後にすぐに形成術を行う一次再建(整容性がよい)と時間をおいて形成術を行う二次再建があります。また、術式としては1大胸筋下にインプラントを植える方法と、2何かしらの自家組織を利用する方法があります。1は主に全摘術を受けた患者に行われる方法で、大胸筋下に組織拡張器を挿入し数か月の時間をかけて組織を伸ばし、延びて余った組織下にインプラントを入れるというものです。10年くらいで入れ替えが必要となるそうです。手術時間は短くて済みますが、年をとっても下垂しないので次第に左右差が出てきます。2は筋肉付きの脂肪組織を広背筋などからとってくる方法ですが、組織採取部位の傷あとが残り、手術時間も半日になります。また移植した皮弁が壊死する可能性が3%ほどあるそうです。ただし柔らかくて温かみがあり、加齢による変化も望めます。そのかわり大きな乳房を作れません。
時に、経年で変形した乳房の修正が必要になることがありますが、健側の乳房を縮小したり、体積の減った術後乳房に自家脂肪を注入したりする方法があります。脂肪注入は大きな体積を期待できないために何回も行うこともあり、保険適応の問題もあります。さらに乳頭乳輪の形成術を加える必要があります。健側の乳頭乳輪を一部移植する方法、外陰部の皮膚を一部移植する方法、入れ墨を入れる方法などもあるそうです。
blog基幹病院での勉強会
2019.01.18