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  • 呼吸器の勉強会 結論のない勉強会でした。

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2025.03.08

今日は呼吸器、特にCOPDと喘息の勉強をしてきました。

今、喘息の治療薬(喘息は治癒しない病気なので治療薬ではなく正確には寛解維持薬です)には吸入薬としてステロイドとβ刺激薬と長時間作用性抗コリン薬の三剤が混合された吸入薬が使われています。そのほかにも、コントロール不良の気管支喘息にはステロイドの内服や生物学的製剤の皮下注射などがあります。特に生物学的製剤は現在5種類が入手可能であり、気道炎症を引き起こす免疫細胞(特に好酸球)やIgEなどを標的とし、喘息増悪の回数を大幅に減少させることでステロイドの使用を減らすことができるようになりました。

さて、今回の勉強会では喘息に対する三剤合剤の吸入薬をどう使うか、咳をどのようにコントロールするかということについての勉強をしてきました。また、COPDでは三剤合剤が必要か、状態によってどう使い分けるかどいう勉強もしてきました。

研究者としてはどのように喘息を扱い治療すべきか、一方で実際に臨床現場で患者を扱う実地医家ではどのように考えるか、など一つの病態について様々な切り口でアプローチし話し合う勉強会でした。そもそも喘息の重症度判定・効果判定として何を指標にすべきか、今まで指標のゴールデンスタンダードであったスパイロメトリーがコロナ禍で使えなくなり、逆にCOPDではその意義さえ問われるようになりました。学問的に追及されて正しいとされていた指標が、思わぬことから実地にはそれほど重要性がないということが証明されてしまったのかもしれません。

かつて医学とは、様々にある様々な病態について、解剖学的・生理学的・生化学的その他あらゆるアカデミックなアプローチを行い原因を追究することに尽力していました。今では心不全や呼吸不全、慢性腎臓病など、病名ではなく病態名でそれぞれの患者の状態を理解しようとする方向に進んでいます。昔は、病態があればその原因があるはずでそれを克服すれば病態の改善につながるはずと考えられていたのだと思います。実は、それぞれの病態に対する原因は相互に関連性があり、一つの原因を追究しても、それは木を見て森を見ざるがごとくであり、原因を考えるのは当然のこと、それぞれの原因の関連性を考えることが重要とされる時代になったのだと思います。ある病態は別の病態と関連しあっています。曰く、説明しがたいことではありますが、例えば仏教でいう「事物の存在そのものよりも、事物間の相互関係や依存性に重点を置く縁起という概念」のような考え方になってきたのだと思いました。いわゆる演繹的な考え方が医学と医療の主流であったものが、今では帰納的な考えひいては仮説駆動的な考えが適応される時代になってきたとのだという気がしました。おそらくNHKの人体という特集では、その内容を分かりやすく番組にしたもので、専門家である医師が専門家であるがゆえに考え及ばなかった内容だったと理解します。もちろん今の医学は、過去から現在まで、そして未来へも連綿と精力的に行われている演繹的な病気へのアプローチから生まれ育ってきているものです。

呼吸器の勉強会で、一つの病態に対してそれぞれの専門家がいろいろな意見を持ち、様々な治療選択している状態を見てそのように感じました。これからは、病気の原因と治療についてさんざんに研究されて得た結果をもとに、病気同士がお互いに関連性を持っていることに注目し、ある病態について例えば年齢によって治療を分けるとか、生活環境によって治療を選ぶとか、個々の病態を横繋がりで対処しそこにAIを活用するようになるのではないかと思います。それだけ自分が思ったというだけの投稿です。

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