腎臓が悪ければ悪いほど心臓にも悪いことが起こることが知られています。いくつか共通する病態があるためですが、今回はリンがこれらの心腎連関に与える役割について勉強しました。
リンはインスタントラーメンなどの加工食品、ソーセージなどの保存食品に多く含まれています。さらにこれらの食品添加物のリンは、他の自然食品に含まれているリンよりも吸収されやすいことが知られています。さて、血中のリン濃度は精緻に体内ホルモンによって調整されていますが、驚くべきことに哺乳動物の寿命と血中リン濃度には明確な逆相関があることが分かっています。人間は血中リン濃度が極めて低いのですが、これは腎臓からリンを排泄する能力が優れているということを意味します。もちろんリンは一方的な悪役ではなく、骨代謝には必須のミネラルです。おそらく、生物間によってリンの必要度に違いがあり生物種の維持にはリンが必要でも、その生物種の個体の維持には必ずしもリンの有用性が生かされていないということなのでしょう。種の繁栄と、その種の個体の繁栄とは必ずしも一致しません。個体の寿命が短くても種の維持がはかれればよいのです。従って、ただたんんに血中リン濃度を低く保てば、その個体の寿命が延びるという単純なお話ではありません。ただヒトでは、リンの過剰摂取あるいは過小排泄が寿命に関係しそうです。リンは腎臓から拝察されないので、腎機能が悪くなれば血中リン濃度が高くなり、血中リン濃度が高くなれば腎機能が悪化し、ひいては心機能まで悪化するということだと思います。そして最終的には寿命に関係するということになります。また、老化が進めば進むほど腎臓を含めたすべての体中の細胞機能が衰え細胞数も減るのでリン排泄能力も低下します。つまり、リン視点から老化をとらえても、老化が進めば進むほど老化が速く進んでゆくということになります。
リンは自然食品の中でもタンパク質に多く含まれています。腎機能にタンパク質の摂取が悪影響を及ぼすということは知られていますが、もしかするとタンパク質そのものではなくタンパク質に含まれているリンが直接的な悪影響を担っているのかもしれません。なんでも過ぎたるは及ばざるがごとし、健康のためには死んでもよいという考えもあるとは思いますが、ボディービルダーのような過剰な蛋白摂取は動脈硬化を進めるので老化を早めると思います。
blog腎機能とリン代謝、ヒトの寿命
2025.08.24