肺炎球菌は莢膜という多糖類をまとっており、これによって人間の免疫システムから逃れています。ワクチンはこの莢膜を抗原としています。新しく成人の適応となったワクチンは、莢膜多糖体にキャリア蛋白を結合させており、樹状細胞からヘルパーT細胞への抗原提示ができるようになっています。莢膜多糖体だけでもB細胞を刺激することはできるのですが、ヘルパーT細胞からも刺激ができるので効果的だというわけです。ヘルパーT細胞からの刺激でB細胞は形質細胞の分化しIgM抗体からIgG抗体へクラススイッチさせます。さらに新たにメモリーB細胞に分化する経路もあり、これが効果的な免疫記憶となります。この二つの効果により、肺炎球菌が感染した際に素早く肺炎球菌特異的IgGが大量に産生され、そのIgGで肺炎球菌がオプソニン化されて好中球に貪食されます。
blog肺炎球菌(肺炎双球菌)のワクチン
2019.02.09