診察時の特徴、拇指の振戦が多く静止時振戦が目立つ。re-emergency toremorが比較的特徴的で通常はこれらの症状は左右差がある。首が震える場合は縦に震える。などがありますがどれも絶対ではありません。また、パーキンソンプラス症候群ではこれらの振戦が目立ちにくいです。これらの所見より、パーキンソン病らしさを見つけてゆきます。筋強剛に関しては、鉛管様、歯車様と表現されますが、所見がとりにくいときは対側四肢の運動などで誘発できることがあります。通常は左右差がありますが、皮質基底核変性症では左右差が大きく、進行性核上麻痺では体幹と頚部の筋強剛は目立ちます。動作緩慢、無動、寡動に関しては、思考も緩慢になります。仮面用願望については筋強剛の部分症状としてとらえることができます。小字症や小声、歩幅が小さいのは、次の動作に必要な適切な尺度が分からなくなっているからだといわれます。地面に線を引いたりすると、それを基準に歩けるようになります。glabellar reflex or Myerson’s signも有名です。MRI検査では基本的に異常はなく、多系統萎縮症、神経性核上麻痺、水頭症、皮質基底核変形省都は違います。心筋MIBGシンチグラフィーも有用な検査です。アルファシヌクレインが蓄積した交感神経は終末から脱落し徐神経されることを利用した検査です。ほかにDATscanもあります。画像診断法が発達すると、神経学的所見によるパーキンソン病と診断がずれることが多くなってきました。このずれのことをSWEDDsと呼びますが、大抵は神経学的所見のほうが間違っているようです。最終的な診断は、薬剤反応性で確認します。
PSP,AMS(線条体黒質変性症MSA-p,オリーブ橋小脳萎縮症MSA-c,Shy-Drager症候群),CBSなどがパーキンソン症状をきたします。このうち、病理学的所見と臨床所見が一致しないことも多いようで、非変性疾患によるパーキンソンニズムもあります。神経的な原因としてアルファシヌクレインが神経細胞にたまってくることが分かっていますが、脳だけではなく全身の神経組織にもたまります。この物質はプリオンと同じような働きをしており、感染する可能性も示唆されています。ミトコンドリアの障害なども示唆されています。
治療はすべて対症療法で、進行性の病気であり根治は望めません。したがって薬を使わなければだめというわけではないのですが、生活の維持ができるようにする必要があります。進行すると、薬の効きすぎによるdyskinesia,効き目が悪いことによるakinesiaとなり、薬の有効領域が狭くなります。副作用に、脳の報酬系に関係する、衝動性亢進や性欲亢進などがあります。
blogパーキンソン病の勉強
2020.05.06