あめのもり内科

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2020.10.09

高齢化社会となって心不全患者が爆発的に増えることが予測されています。要するに、加齢に伴い心臓の収縮能力が落ちてゆく人口が増えるということです。
心不全には収縮能力が落ちるタイプと、拡張能力が落ちるタイプがあります。前者はおもに心筋の虚血に関係することが多く、後者はさまざまな原因で起こる病態です。もちろん加齢が一番のリスクとなります。さて、今回は前者のタイプによく効く薬について勉強してきました。
以前より、心不全の血液マーカーとしてBNPやNT-pro-BNPが測定されていましたが、その存在意義については案外と知らない医師も多いのではないでしょうか。簡単に言うと、BNPは心臓に負荷がかかったときに心臓を守るための蛋白であり、NT-pro-BNPは、BNPが作られるときにできる物質です。新しい薬は、このBNPの濃度を何とか血液中に保つことによって心臓を守る自然の働きを強調しようとするものです。常のことですが、血中の信号蛋白は産生されるとすぐに分解されます。この分解酵素を阻害することによりBNPの寿命を保つのです。ところが、この分解酵素を阻害すると、アンギオテンシンⅰとⅡの分解も阻害されて血中濃度が上がってしまいます。これは心不全に悪く働くために、アンギオテンシンはRA系抑制薬で働きを妨げる必要があります。新しい薬は、BNPとRA系抑制薬をうまくくっつけた薬となります。
欧米では、日本で発売される5年前にすでに使用が許可されており、その臨床データが積み重なっています。日本でもこのデータに基づいて使用法が細かく決められました。どのような患者にどのように使ったらどのような効果が得られるのかについて勉強してきました。

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