あめのもり内科

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2021.06.26

尿酸が高いと痛風が起こることが知られています。正確には、血中の尿酸が高いと関節内に尿酸塩結晶が白く沈着し、この結晶が何かの拍子にはがれたときに、はがれた結晶を原因とした炎症が起こります。この炎症反応を痛風といいます。かつては、高尿酸血症は、痛風さえ起らなければ治療の必要がないといわれていました。実際には、尿酸が作られる過程で活性酸素が発生して動脈を傷つけて動脈硬化が起こります。また、尿酸そのものも血管の内膜に沈着して動脈硬化を起こします。このような障害を防ぐためには血中尿酸を6mg/dl以下に保つ必要があります。
高尿酸血症は、尿酸産生過剰型、腎臓からの尿酸排泄低下型とそれらの混合型があるといわれていました。現在では、小腸からの排泄低下型の高尿酸血症があることがわかってきました。新しく市場された薬であるドチヌラドは、これらの排泄低下型の高尿酸血症を効率的に治療できるようなりました。投与量によっては100%の確率で高尿酸血症を治療できます。
尿酸は、腎臓原尿として分泌された後で近位尿細管にあるURAT1という分泌トランスポーターを介して再吸収されます。尿酸排泄促進薬はURAT1の働きを阻害することによって、尿中尿酸排泄量を上昇させます。一方で、便中への尿酸排泄を阻害します。今回開発された新しい尿酸排泄薬は、尿酸の腎排泄を更新し、なおかつ腎外排泄を阻害しません。腎臓へのover loadを招かずに尿酸低下をする薬です。
面白い話として、子供のロタウイルス感染症では高尿酸血症が起こりますが、これは小腸からの尿酸排泄が阻害されるからだそうです。尿酸調節における腎外排泄の機能も大きいことがわかります。

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