あめのもり内科

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2020.11.23

心不全とは文字通り心臓の機能が不全状態となる病態で、多くは虚血性心疾患に伴ったり高齢化に伴ったりしているものです。全世界的に高齢人口が増えていることもあり、これからは心不全パンデミックの時代と言われることもあります。要するに、心不全が問題になるほど人間の寿命が延びているということです。
さて、ここでいう心不全とは心臓の収縮不全、すなわち血液を送り出すポンプ機能が落ちることを言っていますが、いったんこの病態が生ずると入院治療によって治ったように見えても、将来的には心不全を起こす率がだんだん高くなってくることが分かっています。一度も心不全を起こさないようにすることが大切なのです。加齢は避けられませんが、心不全が起こると循環血液が滞るために、体は血液が少ない状態になったと勘違いをします。血管が収縮して血圧をあげるようにして体液を逃がさないようにため込むようにします。また、交感神経系が興奮して心臓の筋肉は厚くなり、レニンアンギオテンシン系が活性化します。これらはすべて失血が起こった時に惹起される反応です。ところが心不全では失血は起こっていないので、これらの反応はすべて心不全を助長する方向に働いてしまいます。一方で心臓は自分自身を守るために、これらの反応を反対方向に調節する体液因子を作ります。この因子の働きを増強し、レニンアンギオテンシン系を抑制するためにAT1受容体を遮断することで、体の間違った反応を是正することができます。そんな薬を勉強しました。

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