高年齢の肺炎の原因として一番多い菌が肺炎球菌です。
肺炎球菌は莢膜という厚い多糖体をかぶっており、自身は白血球からの攻撃を守っています。いわゆる鎧としての意味です。この鎧には約100種類の抗原性があります。鎧が厚いほど病原性が強いことは理解できると思いますが、特に100種類の抗原性のうち30種類が臨床的に問題となります。さて、ここでワクチンの出番ですが、ワクチンはこの莢膜、すなわち肺炎球菌の鎧に対して攻撃を加えるようにデザインされています。臨床の場で使われるものはニューモバックスとプレベナーです。
ここからは免疫の複雑な話になるので、思い切りその理由は端折ってしまえば、プレベナーは一回打つと免疫記憶細胞にはたらきかけ長くワクチン効果が持続します。時期を置いて二つのワクチンを打てばよいということです。現代では高齢者の数も増え、糖尿病など免疫弱者も増えています。新しいワクチンを、従来のワクチンに加えて接種することが強く勧められる時代になりました。
blog肺炎球菌ワクチンの勉強
2021.04.22