あめのもり内科

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2021.07.17

SGLT2阻害薬は使い方を誤らなければ糖尿病にとても良い薬です。当院でもたくさんの人に使ってよい効果が出ています。最近、心不全にこの薬がよく効くという証拠が出てきました。簡単に言うと、心不全を原因とする入院が減り、心不全を原因とする死亡が減るということです。糖尿病のあるなしにかかわらず、心不全の重症度にかかわらず、腎機能にかかわらず効果が出る薬です。ということで、とうとう収縮機能の落ちた心不全に保険が通るようになりました。
さて、なぜ効くのかということですが、ミクロ的には水利尿が増えるために全身の浮腫が減る、心筋細胞のNO産生を増大させて細胞内のGキナーゼを介するアポトーシスを抑制する、ケトン体を増やすことで心筋ATPレベルを上げて心筋の代謝を上げるなどと言われています。また、腎臓ではグルコースと共輸送しているナトリウムが排泄されることで腎糸球体の負荷を減らし、心腎連関から心臓にも良い効果が得られることが考えられます。マクロ的には、通常に生物学的に正しい生活をしていれば起こる変化を、正しくない状態に置かれている人に‘疑似的正しい生活’を再現する薬なのではないかと思います。
今回はSGLT2阻害薬が心不全に効くという勉強をしましたが、ニューノーマルとして新しい心不全治療プロトコールが次々に出てきています。治療法や薬剤がつぎつぎと出てきているということです。さらに血圧や貧血、肥満、そのたありとあらゆるデータを解析した統計についても勉強しました。数学の知識も医学の発達を理解するためには必須です。そんな多岐にわたる勉強をしました。

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