心房細動では高率に脳梗塞を起こすことが知られています。不整脈のために心房内に凝血塊が出現し、何かの拍子にこの凝血が血流にのって遠隔臓器に飛んで行くということです。脳に起これば重大な結果をもたらします。そのために心房細動には凝血塊ができないように抗凝固薬を使わなければなりません。かつては抗血小板薬として少量アスピリンが使われていました。しかしながら心房細動に起因する脳梗塞に抗血小板薬は効果がありませんでした。抗凝固薬は理論的に効果があることがわかっていたのですが、代表的な抗凝固薬のワーファリンは実際には効果がないことがわかり医療界は愕然としました。理論と実際は違っていたのです。その理由はいろいろありますが、説明には細かい話が必要なので、ここは結果だけで。
そこで登場したのがDOACといわれる新しいタイプの抗凝固薬です。日本ではいくつか種類がありますが、今日はその中でリバロキサバンについて勉強しました。
端折りますが、要するにリバロキサバンを使うならば発作性であれ持続性であれ心房細動があればすぐに使うべきです。さらに年齢が若い人のほうが効き目がよく、腎臓機能がよい人のほうが効き目がよいということです。高齢者と腎機能低下患者には慎重に薬を使い、経過をよく観察しなければなりません。リバロキサバンに限らず、DOACすべてに言えることです。
理論的な結果をどのように実際の臨床に当てはめるか、りばろきさばんについてそんな勉強をしました。
blog心房細動の合併症として重大な塞栓症、塞栓症を防ぐ抗凝固薬
2022.03.29