あめのもり内科

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2019.05.21

従来からの血糖持続測定器と一線を画する医療機器にリブレというものがあります。最大で2週間、血糖を持続モニターできます。インスリンを打っている方には保健適応ですが、それ以外の場合は保険が通りません。わたくし自身もこれを自費で購入し、測定しながらマラソンや、ウルトラマラソンを走ったり、SGLT2阻害薬を服用しながらトレイルランなどもしてみました。
従来の随時血糖測定ではわからなかった血糖の日内変動が分かり、治療や食事の調節に非常に役立ちます。逆に言えば、この器械なしにどうやってインスリンの注射量を調節できるのかと思います。かつてよく行われていた、外来での混合型インスリンの朝晩二回打ちなどは、相当大雑把なものだと思います。場合によっては、良いコントロールをしているつもりで、実は状態を悪くしていたなどということもあったと推測します。
さて、このリブレも万全ではありません。まずは測定誤差が結構あり、実際の血糖とは20㎎/㎗ぐらいずれることはままあります。しかもリブレ装着24時間くらいと、装着終了前24時間くらいはかなり値がずれます。国によっては、リブレ装着始めの一日と最後の一日の値は記録できないようになっていると聞きました。なるほど、その通りです。リブレのデータは、値を見て一喜一憂するものではなく、全体の血糖の流れを見て、治療効果を類推判定するものです。
かつて、「ためしてガッテン」で、一回一回の値を見ていろいろとコメントをしている場面を放送していましたが、絶対値は軽く信用するものではないのです。とはいえ、ちゃんとわかって使えば素晴らしい器械です。食事や時間による血糖値の変動や、本人の体の調子や運動によって変わる血糖変動などは、治療を行う医療側にとっても非常に勉強になります。この器械で得られた知識で、よりよい糖尿病管理ができるようになりました。

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