喘息患者の5~10%は適切な吸入薬を用いてもコントロール不良だそうです。中には副作用を覚悟のうえでステロイドの全身投与を余儀なくされている人もいます。できれば経口ステロイドはゼロにしたいものです。
さて、このような重症ぜんそく患者の気道粘膜には好酸球が浸潤していることがあり、この好酸球を減らすことができればかかる患者の病態はよくなります。好酸球は様々な経路で刺激されるため、経路を見つけ出して遮断するよりも好酸球自身の数を減らし活性を下げることが重要になります。新しく、重症ぜんそくの治療薬として上梓された生物学的製剤は、好酸球表面のIL5受容体を抗体でブロックすると同時に、NK細胞にこの抗体のくっついた好酸球を除去させてしまいます。作用機序から言っても、症例を選べば劇的に効きそうです。事実よく効くようです。好酸球なんてないほうがいいや、てなもんです。
blog重症喘息への新しい薬物療法
2019.06.02