あめのもり内科

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2023.06.29

認知症にもいろいろありますが、過半数をアルツハイマー病と血管性認知症が占めます。アルツハイマー病は、脳神経にアミロイドベータやタウといわれるたんぱく質がたまることで起こります。一方血管性認知症は脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの血管障害で起こります。

アルツハイマー病では神経に異常物質がたまることで、神経の機能が落ちて脳が委縮してゆき特徴的な症状が出ます。一方血管性認知症は、大きな血管が障害を受けるのか小さなものか、障害を受ける部位によってもさまざまな認知症を発症します。また、アルツハイマー病と脳血管性認知症はかなり重なるところがあります。高血圧があるために脳血管にアミロイドが沈着し、逆にアルツハイマー病の患者では8割の人にこの所見が認められます。また、脳表ヘモジデローシスがMRIで判明すれば、出血しやすくいずれ認知症になる可能性を考えなければなりません。

アルツハイマー病では、発症20年前の初期の段階でアミロイドβ蛋白が脳細胞にたまってゆくことが分かっています。健康人でもアミロイドβ蛋白は脳内にたまりますが、夜間睡眠中に脳内から排泄されます。アルツハイマー病ではこの排泄がうまくいかないことが分かっており、この排泄機構の障害は動脈硬化やアミロイド血管沈着によって起こります。

心房細動という不整脈がありますが、有症候・無症候性に血管を詰めるために認知症のリスクは上がります。そのほか様々な理由があるでしょうか、心房細動に対する抗凝固薬DOACは認知症を抑制し、アブレーションはさらに抑制します。やはり心房細動はなるたけ医学介入すべきということです。

認知症の治療薬には今まではすべて認知症に対する薬で、予防薬ではありません。異常蛋白がたまってしまって変性を起こした細胞には効果がありません。新しく開発された薬は、みなアミロイドβ蛋白やタウ蛋白を除去する薬です。当然ながら異常蛋白がたまっていなければ効果はありません。アルツハイマー病のごく初期にしか効果がないことは十分考えられます。この新規治療薬を使っていてアミロイドベータが脳血管壁に沈着している場合は、たとえ抗血小板薬が必要な病態があってもその治療によって脳出血がひどく怒ったりもします。新薬を使うことのできる患者を慎重に選ばなければなりません。そのために新しい検査も必要となってくるでしょう。

タバコや糖尿病などは認知症に悪く、運動などはよいことは理解しやすいと思います。アルコールはビール一缶以上は認知症のリスクが増えます。難聴もリスクを上げます。有酸素運動40分週3回はリスクを下げ、ストレッチだけでは逆に少し上げます。多趣味なほどリスクは下がります。睡眠をとることも大事ですが、過睡眠に効果はないようです。

 

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