あめのもり内科

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2023.08.15

加齢に伴い体は衰えてゆきますが、骨に関しても例外ではありません。街を歩いていると、背中の曲がった高齢者を見かけますが、ちゃんと治療を受けていればもう少し良い状態で過ごすことができたのではないかと思える人も多くいます。骨粗しょう症の治療はあまたありますが、今回は注射による治療について勉強しました。確かにこの治療を行っていると骨が固くなることが実感できます。曲がった背骨の形は治らないものの今以上曲がってゆくこともなく、転倒しても骨折せずに済みます。これはデータに基づかない私の実感です。

健康な人の骨量は体の様々な機能によって適正に調節されています。硬すぎても柔らかすぎてもうまくいきません。骨が丈夫になりすぎる遺伝性疾患に、骨の形成を抑えきれないことが原因となるものがあります。この病気では、骨が隆起したり、脳神経を過剰な骨が圧迫したりします。骨は厚くて丈夫だからよいというわけではありません。骨の形成を抑えるスクレロスチンが骨の細胞から出るのですが、この病気はその分泌が少ないため、全身の骨の形成が抑えられすぎて、結果骨が増殖してゆくことが原因となります。ならば、スクレロスチンの働きをうまく調節して抑えることができれば「骨の形成が抑えられること」が抑えられ、ひいては骨粗しょう症の治療につながるというわけです。

今回はスクレロスチンの働きを抑える骨粗しょう症の治療薬(注射)についておさらいをしました。一か月に一回の注射で、計12か月行えば骨はかなり丈夫になります。その後は、硬くなった骨を維持するための地固め療法が必要となります。どんな場合でも、骨粗しょう症は一生にわたって治療が必要です。骨粗しょう症にはよい治療があるので、今よりもっと積極的に行われるべきだと思います。

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