あめのもり内科

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2023.08.27

脳卒中とは、脳を場として突然に急激な 症状 を発作的におこすことを言います。脳梗塞が74%、脳出血が16.5%、くも膜下出血が6.5%を占めています。さらに脳梗塞に関していえばアテローム血栓性脳梗塞が脳梗塞の31.5%、ラクナ梗塞が脳梗塞の28.2%、心原性脳塞栓症(心房細動、人工弁、卵円孔開存など)が脳梗塞の28.8%、その他が脳梗塞の11.6%を占めています。広い意味では脳梗塞の2/3が動脈硬化が原因であり、1/4は心臓不整脈が原因です。また、脳梗塞は治療しなければ10年間で4割から6割くらいの症例で再発していました。今では薬物療法が進歩しているので、そこまでの再発率はありません。

内科的リスク因子管理ですが、1抗血栓療法、2血管リスク因子の管理、3生活習慣改善となります。1についてはa心原性とb非心原性に分けて考え、aでは抗凝固薬としてDOACがbでは抗血小板薬を使います。脳梗塞は発症早期からDOACを使い、もはやワーファリンは使いません。DOACにも中和薬が出て、出血に対しての安全が担保されていることもあります。さらに心原性脳梗塞の場合は、心臓そのものにアプローチする治療法、アブレーションや左心耳閉塞術、卵円孔閉塞術などが行われるようになりました。

1について、発症早期にはまずアスピリンとクロピドグレルの併用療法を行い、発症1か月が過ぎた症例についてはアスピリン、クロピドグレルまたはシロスタゾールの一剤単独療法が勧められています。薬の効き方には遺伝子多型が関与しており、その場合はプラスグレルが有効です。高リスク慢性期脳梗塞患者にはシロスタゾールを含む二種抗血小板療法が良いようです。シロスタゾールは血管内皮機能の改善が見込めます。日本人では脳梗塞後の脳出血リスクを避ける意味では、アスピリンではなくプラスグレルかシロスタゾールの単剤療法が、脳梗塞ハイリスクにはプラスグレルとシロスタゾールの併用療法がよさそうです。

2については、どんな場合でも降圧が大切です。少なくとも135mmHg できれば120台が目標です。特に脳出血については降圧が大事です。アテローム硬化に起因する脳卒中ではLDLは100mg/dlにしますが低ければ低いほど有効で、低すぎても悪いことは起こりません。アテローム硬化の評価は、頸動脈超音波検査やMRA検査で行いますが、アテローム硬化がない脳梗塞には脂質低下療法のメリットはありません。さて、一方でLDLをしっかり下げても脳梗塞はなくなりません。おそらくそこにはHDL低値や中性脂肪高値やたばこなどによる血管炎の要素があると考えられています。

 

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