という比較的新しいコンセプトの病態があります。慢性腎臓病(CKD)は様々なミネラルの異常をきたしうるという概念です。かつて我々が学生の時に学んでいたころは、腎性骨栄養症のほとんどは激烈な服甲状腺機能亢進症に伴う骨病変でした。現在では服甲状腺機能亢進症の治療が進歩して、古典的なおどろおどろしい骨病変はほぼ目にしなくなりました。副甲状腺機能と骨折の関係は不透明ではありますが、実際には維持透析の患者は一般人に比べ5倍の確率で大腿骨頸部骨折を起こします。この場合、骨は粘弾性がなくなりガラスが割れるように骨折をします。さて、CKD患者は動脈壁内が骨化し、骨化の程度は生命予後とよく相関します。血管平滑筋細胞になるべき間葉系幹細胞は、細胞ストレスがあると骨芽細胞に分化します。高齢者は全て血管平滑筋に骨化が起こりますが、これはカルシウムリン代謝に関係ない老化によるものです。すなわち動脈中膜の石灰化は血管DNA損傷(老化)によるものなのです。CKDは全身の炎症ストレスを強めるのでこのような変化が起こるのです。
なんて勉強をしました。今回は羅列です。