あめのもり内科

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2019.02.23

認知症の増加は全世界的な問題となっています。予防法と治療法はいまだ確立した方法はありませんが、診断法はどんどん進歩しています。認知症の大部分を占めるアルツハイマー型認知症に限って言えば、早期診断はかなり信頼できる時代になりました。最近保険適応になった診断法に髄液中のタウ蛋白とアミロイドβ42測定法があります。アルツハイマー認知症が発症する10年以上前に、髄液中のAβ42が低下しタウ蛋白が上昇します。場合によっては発症20年前から変化が来るようです。残念ながら発症することがわかっていても、発症を防止する確実な方法はわかっていません。ただ、生活習慣病、特に糖尿病を厳格にコントロールすることが認知症発症の予防策として重要であることがわかってきています。また、現在存在する認知症薬4種類は、どうも認知症の進行を遅らせることができるようです。まだまだ確実な治療法はありませんが、いまある方法を尽くすことが大事です。
アルツハイマー型認知症の診断を正確に下すには様々なテストをする必要があります。大まかには外来で患者さんを観察するだけである程度の目途はつくのですが、極早期の認知症は診断が難しいのです。認知症の心理テストをすべて行うにはとても時間がかかり、患者さんのやる気によっても正確度に大きな差が出てしまいます。まだ研究段階ですが、目の動きによってアルツハイマー型認知症の早期診断ができる可能性について勉強してきました。
アルツハイマー型認知症で損なわれる分野のテストをコンピュータ画面上で行い、眼球の動きをモニターするというものです。目線がどのように画面上をさまよっているかを二次元グラフに再現し、さらに迷っている時間を加味すれば三次元グラフができます。これを正常例と比較することでかなり正確にアルツハイマー型認知症の早期診断ができそうです。患者自身の「やる気」というバイアスも効果的に排除できます。さらに、コリン作動性神経線維の働き、具体的には瞳孔の大きさの変化を加えて分析すれば、薬剤の効果も判定できそうです。AIの発達とともに医学も進歩しています。

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