あめのもり内科

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2022.04.06

 インスリン抵抗性といえばよく聞く言葉ですが、これとは別にインスリン抵抗症という病態が存在します。定義は「インスリン受容体またはその情報伝達に関わる分子の機能障害により高度のインスリン作用低下を呈する疾患」となっています。従来、その病態は①インスリン受容体の遺伝子異常によって起こる A 型インスリン抵抗症 ②インスリン受容体に対する抗体によって起こる B 型インスリン抵抗症に分類されてきました。しかしながら現在では研究がすすみ、受容体以後のインスリンシグナル伝達に関わる遺伝子の変異によってインスリン抵抗症を生じる例の報告や、インスリン受容体に対する刺激抗体による低血糖が主体で、インスリン抵抗性を呈さない病態も発見され病態分類の見直しが進められてきました。結果、現在では1)遺伝子異常によって起こる先天性の遺伝的インスリン抵抗症と、(2)インスリン受容体に対する自己抗体によって起こる後天性のB型インスリン抵抗症──の2型に分類されるようになっています。
自己免疫疾患に合併している糖尿病に、安易な薬剤選択(第一選択としてよく使用されるDPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬)を行うと、かえってインスリン抵抗性を悪化させる可能性があるかもしれない。という喚起文章を見かけました。あまり耳慣れない病態ですが、糖尿病を扱う医師ならば必ず知っておかねばならない病態でもあります。

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