あめのもり内科

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2020.04.12

三月に開かれるはずだった循環器病学会で、上記が発表される予定でした。今回はその内容のうち、大動脈狭窄症の勉強をしました。
かつてのリウマチ性大動脈弁狭窄症と違って、現代では高齢による大動脈狭窄症が増えています。この場合は、もともとの身体活動が減っていることもあり、患者も医師もその病態を過小評価する傾向があるようです。早めにこの病態を見つけて、外科治療をすれば生命予後はかなり改善するはずです。そのためには診断を正しくする必要があり、触診と視診を丁寧に行い、そのあとで聴診を正しくしなければなりません。臥位における触診でpulseを感じる部分は、僧帽弁の場合とは少し違います。また、聴診では雑音の最強点がはっきりしないのも特徴です。さらに、聴診上で雑音が小さい場合でも病態が軽いとは言えないことにも注意が必要です。左室内圧と大動脈の圧格差が小さければ当然雑音は小さくなります。左室拡大の場合や左室駆出率の低下している場合です。さて、ASが診断できればBNPをはかりますが、この値は予後を予測する因子でもあり、気を付けて経過を観察しなければなりません。
自覚症状はないものの運動負荷試験をすれば症候性の重症と分かった症例、圧格差が少ないもののドブタミン負荷をすれば重症と分かった症例の紹介がありました。これらの症例について、開胸手術を行うのか、TAVIを行うのか、弁膜症チームにより様々な角度から患者の予後を考え様々な検査を行って、知恵を結集して治療方針が決定されます。そんな話を勉強しました。

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