あめのもり内科

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2020.04.16

 心房細動に対して行う抗凝固療法に、CHADS2スコア1点以上で全NOACが推奨されました。抗凝固薬としてワーファリンはもはや推奨されません。生体弁手術後の心房細動にもNOACが推奨とされ、これで幅広くNOACが使えるようになりした。心原性塞栓症のリスク評価は、欧米ではCHA2DS2-VAScスコアが用いられていますが、CHA2DS2-VAScスコアに含まれる「年齢(65~74歳)、血管疾患、女性」の各項目が日本では有意な危険因子ではなかったため、今回もより簡便なCHADS2スコアが採用されました。これには、ようやく日本の臨床医が慣れてきたCHA2DS2スコアを変えたくないという意味もあったようです。CHADS2スコア0点の場合、これまでも「心筋症」「年齢(65~74歳)」「血管疾患(心筋梗塞既往、大動脈プラーク、末梢動脈疾患など)」に当てはまれば、NOACとワルファリンのいずれも「考慮可」でした。今回、日本の代表的な観察研究から、「持続性・永続性心房細動」「腎機能障害」「低体重(≦50kg)」「左房径(>45mm)」もこの条件に加わり、上記の7項目のいずれかに当てはまれば、NOAC、ワルファリンどちらでも「考慮可」となりました。腎機能低下の定義は明記されていませんが、本文からはクレアチニンクリアランス(CCr)<30mL/分と読み取れます。面白いと思います。
 そのほか周術期の対応、心拍調節療法、洞調律維持療法についても言及があります
虚血性心疾患合併心房細動の抗血栓療法もはっきりと方針が示されました。
 介護施設などで見ていると、寝たきりの患者で虚血性心疾患と心房細動を持っている症例に対して、DAPTとNOACが延々と使われている症例や、INRの測定もなくワーファリンが使われている症例などが存在します。専門医でも案外と保守的な人が多く、ガイドラインで示されているにもかかわらず、従来の経験的投薬を継続していることがありなかなか薬剤の調整ができないことがあるのです。
 今回のガイドラインで、新しい治療を迷うことなく行いたいと思います。

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