あめのもり内科

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2023.08.03

高齢化が進む中で日常的に息切れを訴える方が増えてきています。その主な原因は循環器疾患と肺疾患で、二つを合わせると息切れの70%に達します。息切れを自覚する循環器疾患には様々なものがありますが、その30%に気流閉塞、空気が肺に到達しにくい、または空気が吐きにくいという病態が隠れています。息切れの自覚のある循環器疾患患者の場合は、その原因が循環器、すなわち心臓だけにあるものと考えがちです。しかしながら昔はタバコを吸っていた人も多く、実はCOPDを合併している場合も多いのです。

本来はスパイロメーターという器具を用いてCOPDの診断を行うのですが、実際の臨床の場合では使いにくい器具です。筋力が弱い高齢者では呼吸筋も弱く、その場合検査自体の信頼性が少なくなります。また、検査を行うものの技量によってもデータがかわります。最近では質問票によるセルフチェックシートが代替品として用いられています。主観に頼る質問票ですが、実はかなり信頼性が高いのです。しかも質問に答えるだけなので30秒ほどで検査が可能です。

COPDは患者数が500万以上と推定されています。ところが実際には治療を受けているのはその1/20にも満たないのです。一つには循環器疾患に隠れていて医療側が見逃していること、また一つには患者側にCOPDの自覚がないことなどがあります。簡易な質問票を駆使してCOPD患者の掘り起こしをしなければなりません。そうすることによって、健康寿命の増進と、将来の医療費の削減が見込まれます。

 

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